ベートーヴェンの弦楽四重奏曲作品132は、交響曲9曲、ピアノソナタ32曲を書き終えたのちに書かれた『後期』弦楽四重奏曲のうちの1曲で、最晩年の作品です。
この曲を選曲した神谷美千子さんにインタビューをしました。
Q. ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を知ったのはいつぐらいですか?
「10代の頃なのですが、よく聴くようになったのは20代の初めです。」
Q. どんな感じでしたか?
「初めは難解でよくわからなかったのですが、なぜか気になって何度も聴いているうちにのめり込んでいきました」
Q. 今回選んだ第3楽章についてどんなことを思いますか?
「この楽章は『病が癒えたことを神に感謝する聖なる歌』とベートーヴェン自身が楽譜に書き込んでいる通り、とても深い祈りの感情が込められている曲です。同時に、聴くたびに心の底から元気が湧いてくる曲でもあります。後期カルテットのうちで私が一番好きな楽章で、ロンドンにいた頃は、よくこの曲を聴きながら眠ったのを覚えています。」
『病』とは何を指すのか? 何しろいつも病気ばかりしていた方なので、どの病気を指すのかわかりません。そのくらい大変な人生だったというわけです。
『八方塞がり』という言葉がありますが、ベートーヴェンの生涯は『七方塞がり』だと思います。周りを苦悩に取り囲まれたことを逆に創造の糧として、1箇所だけ開いた所から強烈な勢いでたくさんの傑作が生み出されたのではないでしょうか。
「まわりを塞がれているような今のこの時代ですが、『神に感謝する歌』を歌える日が早く来ますように。そんな想いを込めて演奏したいと思います。」
神谷美千子
アンサンブル・アール・ヴィヴァン 第3回公演
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