大森悠貴(日本モーツァルト協会 第631回例会)

Q1.コンサートを終えての感想。

世の中が大きく動いている中で、コンサートが無事に行われること、聴いて頂くお客様がいらっしゃることの喜びはこの1年半身に染みて感じておりましたが、やはりその気持ちがより一層強くなる公演でした。素晴らしい皆様と東京文化会館の極上の響きの中でとっておきのプログラムに参加させて頂けたことに感謝しております。

Q2.今回のオール・モーツァルト・プログラム、どうでしたか?

個人的にモーツァルトの、爽やかさの中にほんの少しの苦味だったり切なさのあるような美しい音楽観に心を打たれることが多く、大好きな作曲家なので、一度に沢山のモーツァルト作品に取り組めることは只々幸せでした。なんと言っても今回はレクイエムの重厚感に圧倒されました。初めて触れる弦楽合奏版でしたがやはり弦楽器は“声”なんだなあと実感するような瞬間が何度もあり、また自分の楽器が好きになりました。

Q3.EAVで弾いた感想。

尊敬する同年代の皆さんと、ご活躍なさっている大先輩の皆さんと、同じ板の上で共に一つの音楽を創り上げていくとても刺激的な日々でした。同じ空間で音楽を共有することで感じられる息遣いや躍動感は、一人で勉強していては決して得ることのできない学びであり、時には言葉無くして瞬間的に重要な何かを学ぶことがありますが、これが音楽は生きているということなのだなと思います。今回はその尊さを再実感する機会を頂きました。

Q4.今後、EAVに期待していることは?

初めてEAVの創設経緯をお伺いした時、なんと先生ご夫婦らしくて温かいプロジェクトなんだろうと感激したのを覚えています。自分自身今年は学生を終えた一年目で世の中に飛び出した所だったので、今回のお話を頂いた時は心強く嬉しい気持ちで一杯でした。EAVにはぜひこれからも音楽家たちの心の拠り所であり続けて欲しいなと思いますし、自分もそんな希望の一部のような音楽家となれるよう精進して参りたいと思います。

Q5.EAVのお客さんにメッセージ

EAVの活動を応援してくださりありがとうございます。同じ空間で私たちと一緒に音楽に共鳴してくださるお客さまがいらっしゃって、音楽は成立します。これからも生きた音楽を皆様と共に創り上げて参りたいと思いますので、ぜひ会場に足をお運びくだされば幸いです。今後とも宜しくお願い致します。


大森悠貴(ヴィオラ)
桐朋学園大学を卒業、同大学大学院を修了。第70回東京国際芸術協会新人演奏会に出演。Mozarteum夏期講習会にて、Thomas Riebl氏のマスタークラスを受講。2020・2021年桐朋学園大学室内楽演奏会選出。これまでにヴァイオリンを原田幸一郎、神谷美千子、西和田ゆうの各氏に、 現在ヴィオラを磯村和英、佐々木亮の両氏に師事。