型破り

今回演奏するベートーヴェンの作品131は『型破り』な曲です。

7楽章をすべて続けて演奏する。演奏時間40分以上。ベートーヴェンとしてもかなり思い切っています。

『型破り』といえば『第九』も負けてはいません。あの曲は日本ではどんな指揮者でも振れないといけないみたいなことになっていますが、外国ではとんでもないことです。大巨匠にしか指揮できない作品とされています。あんなにオリジナルな作品を生み出すというのは、ただごとではありません。

そんなことを言ったら『英雄』も、その頃の音楽の常識をはるかに超えた曲だったわけです。

ベートーヴェンは生涯に何度かそうした型破りな一里塚的作品を作ってきました。このカルテットはその最後のものと言っても言い過ぎではないと思います。

「破天荒、常識破り、型破り、言いたければなんとでも言え。私は作りたいものを作るのだ。これを作らねばいられないのだ。」ベートーヴェンの気迫が漲る作品です。

覚悟して聴いてください、というのもどうかと思いますが、でもやはりそうとしかいえません。

それにしても、この絵、いいでしょう?

佐藤俊太郎


アンサンブル・アール・ヴィヴァン 第2回公演

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2021年10月15日(金)18:30開演(18:00開場)
三鷹市芸術文化センター 風のホール