『アマデウス』といえば・・・

映画『アマデウス』といえば、ショッキングなモーツァルト像を描いた大ヒット作ですが、元々は舞台作品でした。そこでモーツァルト役を演じたのが、サイモン・カーロウ。のちにこの戯曲が映画化されたとき、彼は映画デビューを果たします...

引っ越しシーズンに寄せて

ロンドンとヘルシンキに、あわせて10年ぐらい住んだ後、3年間だけ東京に住んだ。 外国では日本語の本が手に入らない、あるいはとても高い。だから日本に帰ってきて本を買いまくった。読みまくった。 3年経って、今度はパリに引っ越...

幻の釣り大会

フィンランドは非常に文化的な国で、国家予算で大小およそ20のオーケストラを運営している。国の人口は500万人。 クオピオ交響楽団は、私との2回のコンサートの後、首席客演指揮者というポジションで私を招いてくれた。 クオピオ...

仰げば尊し

師匠のディエゴ・マッソンは、非常に広いレパートリーを持っている。私は『フィガロの結婚』も、『海』も、そういえば『浄められた夜』も、彼のレッスンを受けた。『海』は忘れもしない。日本からパリに電話をかけて、「ここのところはこ...

ホグウッドの思い出

クリストファー・ホグウッド。イギリスが産んだ最も博学にして行動力を持った音楽家の1人。その名も『ヘンデル』という、ど真ん中直球勝負の分厚い本を書いてみたり、モーツァルトの交響曲全集、というよりは交響曲大全と呼びたくなる、...

あの3月

「仙台の家族は大丈夫?」 パリのオルリー空港からイギリスに飛ぶときにフランス語の先生からメッセージが来た。少し考えて妻に電話をした。そしてそれを知った。 「知らないうちに飛行機に乗って欲しかったけれど知っちゃったのね。仕...

とんかつと第九

指揮者になるという志を抱いてロンドンの音大に入った。まずその日にしたことはオーケストラを集めること。とにかく、指揮者の教科書であるベートーヴェンの交響曲全九曲を勉強して指揮しよう。そのためのオケを作るぞ。 音大の練習室の...

ラタトゥイユと親父ギャグ

「フランス料理で食べたいものがあるんだけど、レストランでこれだけ見つからないんだよねー」 ある日、ディエゴの家でそう言った。 ディエゴは、私より40歳も年上の指揮の師匠だが、ほとんど最初っからディエゴだったし、私がフラン...

大切なものは目に見えない

星の王子様と主人公のパイロットが出会う場面、王子様が言います。「羊を描いて」パイロットはいくつかの羊を描くのですが王子様は満足しない。それで、「これが箱だ。この中に羊がいるんだ!」とややキレ気味にこの絵を描くわけですね。...

ガーシュインがシェーンベルクを描く

ラプソディ・イン・ブルーでお馴染みのガーシュインがシェーンベルクを尊敬していた、ということ、ご存知でしたか? シェーンベルクはアメリカに移り住んだのですが、ガーシュインと出会ったのはその頃でしょう。ということはすでにシェ...